梅雨時期のジメジメした時期に、外を見て憂う35歳。
どうも、コンニチハコンバンハ。小山です。
苗字が「小山(こやま)」だし、あまり沖縄方言を知らないこともあって、
たまにナイチャーに間違えられます。
生まれも育ちも沖縄本島のウチナーンチュ(沖縄人)なんですが、
血筋が八重山地域(父は竹富島、母は石垣島)なので、
家の行事などが八重山の形式で行われるために、
沖縄本島の慣習の違いにたまに戸惑うときがあります。
オジィ、オバァ
そんな八重山ハイブリッド血型の僕が、沖縄本島と違うわーと思ったのが、
「オジィ」、「オバァ」の解釈について。
沖縄本島では「オジィ」「オバァ」という言葉は、
高齢の男性や女性について使われたり、祖父や祖母について使用されます。
※一般的に語尾を伸ばします。「オジィ~」「オバァ〜」。
しかし八重山では「おじさん」「おばさん」という意味でも使われます。
※語尾は伸ばさず「オジィ」「オバァ」と使います。
おもしろいのは祖父や祖母には通常の「オジィ〜」「オバァー」が使われるところ。
こういう細かい違いが気になった僕は、
母方の親戚で、最近大学生になった石垣島白保(しらほ)出身のRちゃんに
インタビューして聞いてみました。
最近まで八重山に居たこの娘なら、オモロイ話が聴けるはず。
2月某日。ランチを食べながら、まずは疑問の元となった言語の違いから聞いてみました。
インタビュー形式でご覧ください。
※以下 小山= Rちゃん=
「でーじ」の石垣島での言い方
小山「言葉だとどんなのがある?」
R「例えば、沖縄だと”いっぱい”のことを【でーじ】とか使うでしょ。
石垣だと【マール】とか【デー】とか使う。」
小山「え?【マール】?」
R「そうそう。”めっちゃ”とかと同じ使い方をする時に使う。”マールめんどくさい”とか。」
小山「ま、【マール】かー」
R「沖縄の言葉も最初はよくわからなかった。
例えば【しか〜〜】とかわからなかった。
沖縄の友達が”しか食べるからね”(いっぱい食べるからね)と言った時、
鹿肉を食べると思ってた。
メニュー見ても鹿がないからなんでだろうと思ってたw」
たぶん沖縄方言スラング。追加情報があれば教えてくださいー。
【しに〜】は「ものすごく」とか「とても」「たくさん」とかで使われます。
例:’しに’すごい、’しに’やばい、’しに’痛い、等々
同じ沖縄なのに、なんだろう、この感じ。。
【だーるばー】は疑問形ではない。沖縄言葉との違い
R「あと沖縄だと【〜〜やっさ】とかもわからんかったー。
あれも何で語尾に付けるの?と思ったし。付けんし。」
小山「へーー、石垣は語尾に何かつける言葉とかあるの?」
R「石垣だと【〜〜ドー】がある。」
小山「【〜〜ドー】!?w」
R「んーー例えば、”今から映画見にいくドー”とか”遊びに行くドー”とかw」
小山「”今から映画見に行くドーー”!?うんー。難しい」
R「あと、沖縄だと【だぁるばー?】(そうなの?)って
相手に対して疑問形で使うけど、
石垣だと【だぁるばー】で会話が終了するときがある。」
小山「へ?」
R「沖縄の場合、「だからよ〜」で会話が終了する時があるじゃん。
あれと一緒。疑問形なのに、会話が終了する。」
小山「確認するけど、若者だけが使ってるような言葉ではないんだよね?」
R「うん。オジィなんかも使ってるよ。LINEとかでも使ってる。」
小山「…」
モノの名前とか
R「面白かったのが、【コッパリ】が通じなかったんだよー」
小山「【コッパリ】?」
R「氷のことを【コッパリ】っていう。これは石垣島だけではなく、八重山のオジィとかも使う。」
小山「ほう」
R「うん。お酒飲んでるとき【コッパリ足りない】(氷が足りない)と言われたりする。」
R「あと”チューチュー”なんだけど、石垣では”ミッキー”とかの呼び名になる。
”チューチュー”は小さな子が使う言葉として使う。
沖縄で普通に大人が”チューチュー”とか言ってておもしろかった。」
小山「駄菓子屋で売ってる30円の”チューチュー”の形のアイスティーとかは?」
R「あれも”チューチュー”って言う。」
小山「へーー。30円で買えるから略して”サンティー”というところもあるけど、
そういう呼び名ではないんだね。」
石垣島の有名人が使う言葉について
小山「石垣島だと具志堅用高が有名で、
本土の人でも”チョッチネー”って言葉を知ってるし、
実際使われてると思ってる人もいるんだけど。」
R「あれは使わない。」
小山「やはり。あれくらい訛りはあるの?」
R「オジィーなんかは結構なまってるけど、
40代くらいの人たちはほとんど訛りがないよ。
たまに分からない方言を使うことがあるけどね。」
地域によって違う
R「沖縄本島で年上の人の事を”シージャー”っていうさ、
わざと沖縄本島での言い方をする人もいる。」
小山「”シージャー”って石垣だとなんて言うの?」
R「んー、言い方がたくさんある。
地域によって違うからあまり使わない。」
小山「へー、共通の言い方がないんだ。」
R「だから沖縄本島の”シージャー”って使う。
共通の呼び方があるのは便利なので、
あえて沖縄の方言を使うことがあるよ。」
小山「そういえば、八重山って隣の地域によって方言が異なるって聞いたことがあるんだけど。」
R「全然違う。
例えば、”頭(あたま)”のことを白保では【アマスクル】っていうけど、
隣の宮良(ミヤラ ※地域名)では”あ”の字も出てこなかった。」
小山「へーー、別言語みたいになるんだ。隣なのに。」
R「お父さんたちがよく言ってたんだけど、”隣の村に行くにも、ことばが通じない時がある”と。」
小山「ほー。おもしろいね。ちょっと違うわけでなく全く違うのね。」
R「なので、日本語が共通言語としてあることで、コミュケーションが取れる部分があるよ。」
小山「日本語がないと話せないとw」
R「そうだねw」
小山「八重山の他の離島だとどう?」
R「離島は、もはや別の国レベルで違う。」
歴史的な部分で
R「波照間島は’親島’だから、白保と言葉が似てるんだよね。」
小山「あー、歴史的に波照間島の人が白保に来たんだよね。」
R「そうそう。きっかけとしては大津波がある。」
明和時代に起こったので、「明和の大津波」と言われる。
中でもRちゃんの生まれた地域である白保地域は、ほとんどの人が亡くなった。
参考リンク:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AB%E9%87%8D%E5%B1%B1%E5%9C%B0%E9%9C%87
http://www.zephyr.justhpbs.jp/meiwa_tunami.html
http://www.bo-sai.co.jp/yaeyamajisintsunami.html
R「白保は98%の人が亡くなったみたいだから、村を再興するには他の人を入れるしかなかったんだよ。」
小山「移民かー。」
R「いろんな離島から移民が来たから、白保の方言にも、コレは波照間島とかソレは多良間島とか、
いろいろ言葉によって名残が残ってるよ。そういうのが混ざって地域の方言ができてるんだはずよ。」
小山「それは白保地域だけなのかな?」
R「津波の被害を受けた地域は、いろんな離島から移民が入ってきてる。
地域によっても移民元の離島が違うし元々その地域の方言もミックスされて、
だから言葉も全然違うんだはず。」
小山「なるほどねー。」
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とまぁー、言語についてはこんな感じの話を聞けました。
沖縄本島内でも、地域によって微妙に方言が変わってたりするんで、多少の違いくらいは予想してたんですが、
かなり違っているし、それが未だ残ってるのも興味深いです。
他にも行事や文化的な違い(もちろん細かすぎるくらい)の話も聞いたんですが、またの機会に。
ではでは。