こんにちはみなさん、「松藤」と申します。
初めましての方もいらっしゃると思うので、まずは自己紹介から。
私は沖縄生まれ沖縄育ちの「泡盛」です。
2015年の春、全国酒類コンクールで第1位をいただくことができました。
これも、応援してくださるみなさんのおかげです!
「泡盛」と名乗ると、よく「強いよね」とか「どの銘柄も変わらないよね」などと言われてしまいますが、そんなことはありません!
今日は、「松藤」のことをもう少し知ってもらえるように、詳しい自己紹介をしてみたいと思います。
「松藤」の故郷・崎山酒造廠
「松藤」のふるさとは、崎山酒造廠(さきやましゅぞうしょう)です。
明治38年、古くからの酒処である那覇市首里赤田町で創業しましたが、第2次世界大戦で酒造所が焼けてしまったことを境に、水と緑の豊かな金武町(きんちょう)に引っ越して来ました。
こちらが外観です。
お客様からは「趣があって見惚れてしまいそう」と言っていただきます!
ところどころに改築の跡がありますが、柱などは移転当時からのものが残っています。
代表銘柄「松藤」の名前の由来は?
よく質問していただくのが、「松藤」という泡盛の名前の由来です。
「創業者の名前が『松藤』さんなんですか?」
とても惜しいのですが、少し違うのです!
「松藤」の名前は、崎山酒造廠の二代目崎山起松氏と藤子夫人の名前から命名されました。
女性の社会的地位が決して高くなかった昭和初期に、藤子夫人の名前を「松藤」の名前に取り入れたということは、とても珍しいことだったのだそうです。
二代目夫婦は、二人三脚で泡盛造りに取り組まれていたと伝わっていて、そのエピソードから、「松藤」は現在でも、結納などの大切な日に飲む泡盛として選んでいただいています。
「松藤」造りのこだわり
さて、ここからは、私「松藤」を造る際に、作り手さんがこだわっていることを見ていただこうと思います。
「松藤」の大きな特徴の1つは、恩納岳の軟水で造っていることです。
沖縄は一般的に、中硬水が多いと言われていますが、その中で「松藤」は、硬度が30〜40の軟水を使っています。
硬水に比べると、軟水はやわらかい甘い味を作りやすい水。
そのこだわりが、「松藤」特有のやわらかい味わいを支えているのです。
その他にも、製麹の工程では、老麹(三日麹)製法を行うこと。
もろみ造りの工程では、通常より長い20〜28日かけることなどのこだわりも持っています!
そして、「松藤」造りには、大きな特徴がもう1つあります。
それが、できたての「松藤」の旨味成分を残すため、ろ過を少なくすることです。
ろ過というのは、泡盛の中に含まれている不溶物はもちろん、余分な成分を適度に取り除く作業です。
軟水で造られる「松藤」は、原料水と旨味成分が早くなじむので、ろ過作業を多く行う必要がありません。
そうすることで、他の泡盛ではあまり見かけない「濁り」が残ります。
この濁りこそが、まさに泡盛の旨味成分!
このような様々なこだわりを持って泡盛造りを行うことで、私「松藤」がみなさんに愛される泡盛として生まれています。
まとめ
私「松藤」について詳しく知っていただくため、じっくり自己紹介をしてみましたが、いかがでしたか?
普段は、私たち泡盛の歴史や作り方を知っていただく機会はなかなかありません。
しかし、改めて触れると、普段飲んでいる泡盛の違った印象を感じていただけるのではないでしょうか。
ぜひ一度、度数の高い「松藤」を透明のグラスに注いでみてください。
崎山酒造廠の造り手の心意気を、感じていただけること間違いなしです!
◆基本情報◆
崎山酒造廠
住所:沖縄県国頭郡金武町字伊芸751
HP:崎山酒造廠
地図