琉球王朝時代の政治や文化の中心といえば、首里。
その首里のほど近くに、琉球王家の別荘だった建物が残されていると聞きつけて。
行ってみました! その名も「識名園」。
国王一家の保養や、中国からの使節の接待などに利用されていたといいます。
入り口から庭の中を歩いていくと、石垣の向こうに現れました。
識名園おすすめポイント「御殿(うどぅん)」。
うどんではありません! 「うどぅん」と読んでください。
この「御殿」は15もの部屋がある赤瓦の木造建築で、使節団をもてなした建物です。
中に入ると、なんだか友だちのおばあちゃん家に遊びに来たような懐かしさ。
昔ながらの琉球建築だからでしょう。
その「御殿」からの庭の眺めも絶景です。
「御殿」の前の池を中心に、ぐるりとお庭が囲っている「回遊式庭園」。
その池の中心には、中国式の「六角堂」という休憩所。
昔は池に船を浮かべて遊んだりもしていたようです。
「回遊式庭園」から識名園の奥へ進むと、「勧耕台」という展望台が現れます。
なぜ琉球国王がこの識名という土地に別荘を建てたのか?
この展望台に来ると、その謎が解けるような気がします。
高台である識名からは、沖縄県の南部地区をよく見渡せます。
琉球国王は中国の使節団に、この場所から琉球王国を見てもらっていたのでしょう。
そうそう。
識名園では、琉球式の結婚式を執り行えるそうです。
私たちが訪れた日、偶然、結婚式を行っていました。
華麗な琉装の男女が御殿の前で微笑む姿は、琉球王朝時代を思わせるような。
そんな結婚式も素敵ですね。
◆まとめ◆
現在ではユネスコの世界遺産に登録され、有名になった識名園。
一度は、沖縄戦により壊滅的な破壊を受けます。
しかし、1970年代から整備が進められ、今日の姿を取り戻しました。
沖縄の人たちに「未来まで残したい」と思われた古の琉球王朝の文化「識名園」。
この場所の空気は、ここに来てみないとわからないかもしれません。
◆場所の紹介◆
『識名園(しきなえん)』
沖縄県那覇市真地421−7
時間:4月〜9月は9時〜17時半
10月〜3月は9時〜17時
休業:水曜日
公式HP:識名園/那覇市
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