日本地図を広げると、沖縄本島の左に浮かぶ2つの島。
沖縄県最北端に位置する細長い島が「伊平屋島」、そのすぐ下に位置する丸い形の島が「伊是名島」です。
沖縄県北部の今帰仁村にある運天港から、それぞれ約1時間。
観光地・沖縄で、本島からすごく近い場所にありながら、意外に知られていない穴場なんです♪
今でも手つかずの原風景が残る伊平屋島・伊是名島。
とはいえ、どんな名所があるのでしょうか? その魅力に迫ってみたいと思います。
沖縄最北端の島!伊平屋島
沖縄県最北端の伊平屋島は、鹿児島県の与論島とほぼ同じ緯度。
島の約6割を標高200~300mの山地が占めますが、島の平地ではサトウキビと稲作が盛んです。
琉球を統一した尚巴志の祖先・屋敷大主(やぐらうふぬし)が伊平屋島に暮らしていたことから、歴史的にも貴重で、「天の岩戸伝説」や様々な神事が残っています。
伊平屋島の魅力:クマヤ洞窟
伊平屋島には「天の岩戸伝説」が残っています。
ゴツゴツとした岩肌が続く海岸線をずっと進むと、階段がかかった岩壁が現れます。
そこが「クマヤ洞窟」です。
人が一人ようやく通れるほどの入り口を入ると、凛とした空気が満ちた空間が広がり、奥の方が拝所のようになっています。
アマミキヨやニライカナイなど独自の信仰が根付く沖縄で、様々な方が訪れる場所なのだそうです。
伊平屋島の魅力:念頭の平松(ねんとうのひらまつ)
伊平屋島のシンボルと言えば、この木「念頭平松(ねんとうひらまつ)」です!
樹齢は推定で約300年、枝の長さは25メートルにもなるりっぱな松。
近くにいるだけでパワーをもらえるような気がする気持ちが良い場所で、映画の撮影などでも使われますね。
伊平屋島の魅力:ぜひ試してほしい!おすすめの食べ物と街並
伊平屋島の特産品と言えば、黒糖です。
最近ではよく見かける、1個ずつ袋詰めになった黒糖を最初に作ったのは伊平屋島なんだとか。
モズクやお米も丹精込めて作られています。
昔ながらの住宅が残る地域には、瓦屋根の平屋と、平たいサンゴや石で積み上げられた石垣を見ることができます。
島の中にショッピングを楽しむ場所はほとんどありませんが、小さな商店での島の人とのやり取りや挨拶に、温かい気持ちになれる。そんな魅力があるように感じました。
伊是名島は、琉球王朝・尚円王のふるさと
伊平屋島のやや南に位置する伊是名島は、古くから水が豊富で耕地にも恵まれ、純農村として発展してきました。サトウキビや稲作、モズクや海ブドウの養殖や追い込み漁業が盛んです。
琉球王朝第二尚氏の開祖である尚円王の生まれた島としても有名で、2015年に生誕600年の記念式典を盛大に開催しました。
伊是名島の魅力:二見ヶ浦海岸
伊是名島に行ったらぜひ訪れたい場所が、丸形の島の南側に続く「二見ヶ浦海岸」です。
白砂の美しい砂浜が続き、日本の渚百選にも選ばれた人気のスポット。
海岸沿いにある展望台からは「陸ギタラ」と「海ギタラ」と呼ばれる、対になった2つの切り立った岩(ギタラ)を見ることができます。
その他にも、てっぺんまで登ることができる山や展望台がいくつかあり、そこから見える景色は圧巻!
どの山も標高がとても高い訳ではないのですが、見通しが良いので30分ほどのハイキングでこんな景色に出会えることも最高ですね。
伊是名島の魅力:第二尚氏の開祖、尚円王
400年を越す長い政権を維持した琉球王国の第二尚氏王朝。
その第二尚氏の始祖である尚円王(金丸)は、伊是名島で生まれ育ちました。
「尚円王御庭(おにわ)公園」には、村出身の版画家・名嘉睦稔氏制作による若き日の金丸(尚円)像が建立されています。
島の南には、尚円王の家族と親族を葬る王国時代の聖墓の一つ、「伊是名玉御殿(たまうどぅん)」。
毎年この場所では盛大な清明祭(シーミー)が行われるそうで、この場所は伊是名島の方々によってとても大切にされているのです。
ちなみに、「伊是名玉御殿(たまうどぅん)」での清明祭(シーミー)が無事に終わると、各地のそれぞれのお墓でもシーミーが解禁になるんだと教えていただきました。みなさん、ご存知でしたか?
「シーミーって何?」という方はぜひこちらの記事もどうぞ。
今年ももうすぐそんな時期ですね♪
▼ハブログ「沖縄の春の風物詩『シーミー』に行ってみた」
http://huvrid.co.jp/blog/movie-shi-mi/
伊是名島の魅力:ぜひ試してほしい!おすすめの食べ物と街並
島の南西に位置する伊是名地区には、雰囲気のあるフクギ並木と瓦屋根の平屋が並びます。
縁側に座ってお茶をいただくと、まるで映画の世界に来たような気持ちになりますね。
食堂に行くと、ヒージャー(山羊)料理をいただくことができます。
独特の風味があるので、好き嫌いは分かれてしまうかもしれませんが、フーチバー(ヨモギ)と一緒にいただくと最高!
ヒージャー好きの方々をうならせる味わいではないかと思います。
それからおすすめなのが、伊是名島の海ブドウ。
こだわりを持って育てられているので、形や大きさも良く一級品なんだそうですよ。
こちらも意外と知られていないのでは?
まとめ
2015年秋と2016年春、2回に分けて出かけた伊平屋島と伊是名島の魅力をまとめてみました。
実際に足を運んで感じたことは、普段本島に住んでいる私でも気付いていなかった魅力がたくさんあるんだなということでした。
実はこの2つの島々、もともとは一つの村だったのだそう。
しかし、地形や住んでいらっしゃる方の性格など、比べてみると多くの違いがあることにも気付きます。
それも興味深い点でした。
島の観光案内やレンタルサイクルなど、新しい取り組みも行っている伊平屋島と伊是名島。
旅館の数などもとても多い訳ではないので大勢で出かけることは難しいかもしれませんが、島の人たちはみなさん本当に良くしてくださります。
これからの沖縄旅行の際、ちょっと足を伸ばしてでかけてみるのはいかがですか?
島へのアクセス
⑴ 伊平屋島
沖縄の玄関口、那覇空港から北へ車で2時間、沖縄本島北部の本部半島にある運天港からフェリーで80分です。
▼詳しくは公式サイトより
http://www.vill.iheya.okinawa.jp/detail.jsp?id=11805&menuid=4016&funcid=1
⑵ 伊是名島
那覇空港から今帰仁村運天港までタクシー・車で2時間弱。
▼詳しくは公式サイトより
http://vill.izena.okinawa.jp/izena/access