毎日と言えるほどのペースで泡盛を飲んで過ごしています♪
株式会社ハブリッドのクダカです。
こんな泡盛大好きなクダカが、最近一番困っていること。
「泡盛ってどれも同じ味に感じるんだよね。」
と声をかけていただくことです。
そこが泡盛の種類が揃っているお店やクダカの家なら、間違いなくその場で飲み比べていただいています! というのも、同じ度数で同じ年数の泡盛だとしても、銘柄が違えば味が違うからです。
ただ、毎回そんな風に案内ができる訳ではないので。
その場に泡盛がなかった場合におすすめしているのが、ご自宅やお店で一般酒(新酒)と古酒を飲み比べていただくこと。
一般酒には一般酒の良さがあるし、古酒には古酒の良さがあると思うのです。
本日は、その中でも“泡盛・古酒の魅力”に迫ってみたいと思います!
泡盛の最大の魅力「古酒」って?
泡盛の大きな魅力は、なんといっても!
年月をかけて熟成させれば素晴らしい古酒に育っていくことです。
同じ日本のお酒でも、清酒(日本酒)は、新鮮な商品の方が評価が高いことが多いですよね。
まして、一度開けてしまった清酒を1年も置いておけば、新鮮さが失われてとても残念な気持ちになるはずです。
しかし、泡盛は、一度開けてしまったものでも、数年保存した状態の方がおいしくなり、価値が上がるお酒です。
甕やビンに入れて泡盛を熟成させることを「寝かせる」と表現しますが、泡盛というお酒は、寝かせれば寝かせるほど香りも甘く芳醇になり、口に含んだときの舌触りもまろやかになります。
その風味の芳醇さは、1853年に琉球王国を訪れたペリーの一行が、「まるでフランスのリキュール(ブランデー)のようだ」と表現したと言われているほど。
泡盛は、現代でも世界的に評価されている、年代物のウイスキーやブランデーと肩を並べることができる名酒なのです。
泡盛を3年以上熟成したもの=古酒
では、実際に、お店で「古酒」と書かれている泡盛は何年以上熟成させたものでしょうか?
2015年8月より、古酒の基準が変更されることになりました。
今までは、3年以上貯蔵した泡盛が全体の51%以上含まれているというのが古酒の定義でしたが、3年以上貯蔵した泡盛が「全量(100%)」でないと古酒と認めないことになります。
それに対して、蒸留して3年未満の泡盛は「一般酒」もしくは「新酒」と呼ばれています。
日常で手頃に飲める泡盛として幅広く流通していますが、一般酒でも蒸留してから瓶詰めするまでに1年ほど寝かせる、というこだわりを持った酒造所もあります。
泡盛が古酒になる理由
実は、泡盛は同じ蒸留酒であるウイスキーなどとも異なる性質を持っています。
ウイスキーやブランデーなどの洋酒は、基本的に樽に貯蔵され、樽からバニラの香りやスモーキーな香りなどのさまざまな成分をもらって熟成し、古酒になっていきます。
それに対して泡盛は、含まれる成分そのものが長い期間をかけて熟成することによって、香りや味をもたらす成分に変化していきます。
その変化によって、泡盛は、まろやかで甘い香りを醸し出す古酒になるのだそうです。
樽の力をもらって古酒になる洋酒は、樽から出して瓶詰めすると、古酒化はそれ以上なかなか進まないといわれます。
一方、泡盛は、自分が持っている成分そのものを変化させて古酒になっていくので、瓶詰めしたあとでも古酒化が進むのですね。
貯蔵の方法によって変化する古酒
最近では、変わった貯蔵方法で差別化を図る古酒も出て来ています。
独特の香りや色の付く「樽」を貯蔵の容器に使用したり、音楽を聴かせる、地下室や鍾乳洞のような冷暗所に置く、海底で寝かせるなど貯蔵の環境を変えるのです。
酒造所での貯蔵の方法は、大きく分けると2種類です。
1つは「甕貯蔵」。
甕には、土に含まれる金属イオンの触媒作用があるので、他の方法に比べて熟成が早くなるという長所があります。また、甕独特の香りがつきやすく、同じ10年古酒でも香り高く仕上がります。
しかし、甕独特の香りが苦手な方もいますし、この甕貯蔵は管理が大変という短所もあります。
そこで、現在では、多くの酒造所で「ステンレス貯蔵」が採用されています。
ステンレス貯蔵の一番の長所は、管理がしやすく、大量に貯蔵でき、安定的に泡盛をお客様の手元に届けられるという点だと思います。
また、家庭で古酒を作るには、甕貯蔵のほかに「瓶」に入れて貯蔵する方法があります。
こちらは、一度に詰める泡盛の量は少なくなりますが、時間をかけると泡盛自体の味が熟成していきますし、甕貯蔵よりも手軽に挑戦できる利点もあります。
まとめ
長い年月をかけて、自分の成分を変化させることによって、旨味を作り出して行く泡盛。
贈り物としても、お土産としても、自分用のデイリー泡盛としても、やはり古酒はオススメです。
また、泡盛には古酒造りに適した銘柄があったり、古酒造り用の甕を販売している酒造所もあるなど、個人が古酒造りをするための用意は整えられています。
沖縄に現存している、最古の古酒は識名酒造の150年古酒だと言われています。
沖縄には、100年古酒を作るために集まった泡盛好きの会や、個人で100年古酒を作っている泡盛愛好家もたくさんいらっしゃいます。
「子どもや孫に、100年以上の古酒を預ける」なんて、素敵な伝統をいつまでも受け継ぎたいですね。