つい先日、「焼酎って夏の季語なんだよ」と教えてもらい、衝撃を受けました!
株式会社ハブリッドのクダカです。
焼酎はその昔、暑さを払うために飲まれていたのだそう。
焼酎を飲めば夏の疲れが回復する=夏バテ防止の酒として、愛飲されていた訳です。
沖縄のソウルドリンク・泡盛も焼酎の一種。
そもそも、泡盛と呼んでいいお酒ってどういうもの? 泡盛と焼酎は何がちがうの?
本日は、泡盛の魅力をひも解いてみたいと思います♪
いきなりですが、泡盛の定義をまとめます!
本格焼酎の一種である泡盛。その特徴をまとめてみます。
1. 黒麹菌(くろこうじきん)を用いる。
2. 仕込みは1回だけの全麹(ぜんこうじ)仕込みである。
3. 単式蒸留機(たんしきじょうりゅうき)で蒸留する。
4. アルコール度数が45度以下である。
もしもあなたが「泡盛の特徴」をサクッと知りたいなと思ってこのページにたどり着いたなら、ここまで読んでもらっただけで十分なのだと思います。
ただ、私自身、初めてこの特徴を聞いたとき「くろこうじきん?」「たんしきじょうりゅうき?」と疑問だらけだった人間なので、もう少し詳しく説明してみたいと思います。
泡盛で使うのは、ほかの麹菌ではなく黒麹菌
泡盛の原料はお米です。
どのお酒も同じなのですが、アルコールを作る時には糖が必要になります。
「黒麹菌」というのは、お米の持っているデンプン質を糖に変える働きをする菌。泡盛造りには欠かせないヤツなんです!
日本で作られるお米を使ったお酒はみんな、麹菌が必要です。
◆日本酒:おもに黄麹菌(ほかの菌で作ることも)
◆焼酎:おもに白麹菌(ほかの菌で作ることも)
◆泡盛:黒麹菌に限る!
では、なぜ泡盛には黒麹菌が使われるでしょうか?
実は黒麹菌、腐ってしまうことを抑える働きをするという大きな特徴があります。
黒麹菌はアルコールを発生させる過程でクエン酸を大量に作り出すのですが、このクエン酸が、泡盛のモトである「もろみ」を他の菌から守る働きをします。
気温が高く湿気も多い沖縄は、さまざまな菌が繁殖しやすい環境でもあります。
そんな環境にも負けず、美味しいお酒を作り出すのにぴったりなのですね。
黒麹菌、今では泡盛の風味を出すのに一役買っていると言われるほど、泡盛造りには欠かせない存在です。
「もろみ」とは、原料と麹、水、酵母を発酵させたお酒のモトのことで、見た目はグレー色のおかゆのような感じです。(このグレー色は、黒麹菌の影響が大きいようです。)
焼酎との違いの一つ、全麹仕込み
一般的に、焼酎の製造工程では麹菌に水と酵母を加えて一次仕込みをして、さらに原料を加えるという二次仕込み(場合によっては三次仕込みも)の方法が取られています。
一方、泡盛ではすべてを一回で行います。この方法を「全麹仕込み」と言います。
本格焼酎の仲間入り!!単式蒸留式蒸留
泡盛の製造の中でも後半に行われる「蒸留」の工程。
先ほど紹介した泡盛のモトである「もろみ」を火にかけて、水とアルコールの沸点の違いを利用して、アルコールを抽出する方法です。
泡盛は、焼酎造りと同じ「単式蒸留式蒸留」という蒸留方法が行われています。
イメージとしては、ヤカンを火にかけて、出て来たアルコール分を含んだ蒸気を冷やしてお酒にするような感じです。「単式蒸留式蒸留」は、以前は「焼酎乙類」とも呼ばれていた、蒸留方法の中ではもっとも古く、シンプルな製法です。
蒸留の方法にはもう一つ、「連続式蒸留」と呼ばれる方法もあります。
以前は「焼酎甲類」と呼ばれていた製造方法で、一度蒸留した液体を、さらに何度も連続して蒸留する方法です。
純粋なアルコール液に近付いて行き、雑味を感じないお酒ができあがります。
泡盛の感想としてよく聞くのが「クセが強い」という言葉。
単式蒸留式蒸留で造られるからこそ、泡盛や本格焼酎はクセや旨味が強いのです。
まとめ
沖縄のソウルドリンク・泡盛が「泡盛」と名乗れる条件をまとめてみました。
泡盛は蒸留酒で、糖質ゼロのヘルシーなお酒です。
そういう面でも、露出の多くなる今の季節にぴったり! 夏だからこそ選びたいですね。